電車内での文庫本

 いつものことではあるが、移動で地下鉄に乗った。この日、いつもとは異なる光景を目撃したのだ。それは座席に座って文庫本を読んでいる人が、なんと異常に多いのだ。

 何かあったのか? 老若男女、特に突出した特色があったわけではない。どこかの読書クラブあたりの集会でもあったか。それなら本を読んでいる全員が文庫本というより、単行本の場合だってあるだろう。ともかく、乗客の半数近くが文庫本の読書中なのだ。

 このところスマホをチャカチャカいじっている香具師ばかりで、音楽を聴いている連中も少なくなった。たまに文庫本を読んでいる乗客もいるが、数えられる程度で驚くほどでもない。それなのに、文庫本の読書の割合が突出しているのは、なぜなのだろう?

 通常の割合が崩れているような光景に出くわすと、オレ様のような社会現象に敏感な賢者はドキドキする。そして理由を知りたくなる。知れば、一気に興味を失うがな。

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