庄司紗矢香&ウルバンスキ&NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

オーチャードホールで開催された「東芝グランドコンサート2017」に行きました。オーケストラはNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(旧 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)、指揮をクシシュトフ・ウルバンスキ、ヴァイオリン独奏を庄司紗矢香

開演となり聴衆の前に颯爽と現れたウルバンスキは1982年生まれの34歳という若さ。オープニングは躍動感溢れるグリンカの『歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲』。だけどオーケストラの音がずれて聴こえるように感じられて、今ひとつ爽快な気分になりきれません。テンポが早い曲だから合わせるのが難しかったのか、ホールの音響の問題なのか。

続いて庄司紗矢香さん登場。ワインレッドの落ち着いた色のドレスが素敵。曲目はプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。本人曰く「私はプロコフィエフの作品とともに育ってきた感じがします」という程、彼女にとって思い入れのある作曲家。サンクトペテルブルク・フィルを率いるロシアの巨匠テミルカーノフから「君はプロコフィエフ・プレイヤーだ。作曲家の心理をとてもよく理解している」という言葉を贈られた程、得意とするところ。見事な演奏で曲の魅力を存分に堪能。素晴らしかった!

アンコールはJ.S.バッハの『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番よりアンダンテ』。心穏やかになる演奏でした。

休憩を挟んで本日のメイン、ドヴォルザーク交響曲第9番新世界より」』。一昨年、ビエロフラーヴェク率いるチェコ・フィルでも同曲を聴きましたが、この時と比較するとさらっとした印象の演奏でした。少し力強さが足りないというか。それとやはり音がずれて聴こえる場面がいくつかありました。音の響き自体もくぐもった感じがしたので、オーチャードホールの音響に原因があるのかもしれません。音も揃えられないような指揮者が若くして注目される事も無いでしょうから、きっとそうなのでしょう。

アンコールは同じくドヴォルザークのスラブ舞曲第1集作品46第8番で華やかに。

ウルバンスキさんの略歴がなかなか面白い。音楽家になろうとした12歳の頃まではマイケル・ジャクソン等のポップ・ミュージックやロック・バンドを聴いて育ったそうです。両親は鍵職人と化学者なので、クラシックには馴染みが無い環境。12歳で受験した音楽学校も充分な能力が無いと判断されて落第。それがホルン科の定員に空きが出来て入学。それから初めて聴いたベートーヴェン交響曲等をきっかけに交響楽団に興味がわいてきたとの事。

クラシック音楽を職業とする人のスタートとしては遅いように感じますけど、2010年にはトロンハイム交響楽団の首席指揮者、2011年にはインディアナポリス交響楽団の音楽監督になっています。こういう略歴を知ると才能の一言で表しがちですが、クラシック音楽に夢中になって取り組んできた結果なのでしょうね。

東芝グランドコンサートですけど来年も存続しているのでしょうか。川崎にある東芝未来科学館に未来はあるのかな。。。

プログラム

1. グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

2. プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番

※庄司アンコール

 J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番よりアンダンテ

〜 休憩 〜

3. ドヴォルザーク交響曲第9番新世界より

※アンコール

 ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1集作品46第8番